「チーズをのせたパンの、チーズが溶けて固まった部分」がツマミになっている。
…説明が難しい。今日はチーズの感想文を書くという目的ではなく、
なとりを誉め讃えたいだけです。
量はそんなに入っていなけど、最初の一杯目にぴったり。
なとりは酒飲みの気持ちをよく理解している。新作の「乾き物」というところか。
飲み屋の味を大きく分けると豆腐、刺身、揚げ物、焼き物。
生ものを除くと「揚げ」と「焼き」。
ツマミなんだから、あんまりヘビーな量で来られても余らせるだけだから注文したくない。
お通しから入って最初の一品を注文し、その次何食べようかな、というのが酒飲み。そのためにツマミがある。
なとりの巧いところは、続きに何を食べてもいいですよ、という類のツマミを研究しているところ。
このチーズも、この部分だけでいいってところを見事に切り抜いてくれた。拍手を送りたい。
「酒飲み」には、大きく分けると2パターンあって、
1 食事を楽しむついでに飲む人
食後にシメのラーメンとか石焼ビビンバとか焼きおにぎりを注文する人が、これにあたる。
彼らにとってビールはただのドリンク。二杯三杯と飲み進むものとは考えていないらしい。あくまでも食事がメイン。
2 酔いたいだけで食べない人
酔いたいだけ、というと不健全に聞こえるかもしれないけれど、飲んで一日を締めくくることが習慣になっている人は、だいたいこれに該当する。
それを、アルコールの分解酵素が少ない人は理解し難いらしい。
「お酒は体に悪いから、毎日飲むのは控えたほうがいいよ」とか言ってくる。
優しい気持ちはありがたいんだけど、こちらは、しっかり分解酵素を持っていて、親が東北の人で、酒飲みの血筋で、したがってビールは「寝る前のお茶」のようなものなんだけど…。
少なくとも、私の周りの酒飲みからは同じ回答を得た。晩酌は楽しい趣味のようなもので、仕事を終えた後の「心」の切り替えスイッチだと言う。
今日すべきこと、明日すべきこと、に追われている心を逃がす。これが醍醐味。
ただ、居酒屋という所は、付き合いで仕方なく来ている人や、飲み方を知らない人が飲んでいることもある。それを、酒が好きでもないのに付き合いで来ている人が見ると、酒飲みは病んでいる、という偏見が生まれるらしい。
個人的には世の中の半分以上は酒飲みのような気がする。
どこに行っても飲み屋がある、というのは事実。
雑談する時は、飲んでいたほうが砕けた話ができて楽だ、という人もいる。
ビジネスで酒の席、というのは論外で、あれは「飲み」ではなくてビジネス。
好きな飲み方ができないなんて、酒の道から外れている。
ツマミが美味しい、とか、男性なら女将がキレイだとか、何でもいいけど、とにかく、飲んで笑顔になることが目的。
そこで免疫力が強化されて、一日の毒を消す。リセットという言い方では軽い。
毒消し。
酒飲みでピンピンしている老人は、この毒気消し効果で落ち込むことがない。
酒飲みの老人は最強。