大根おろしと湯葉刺し。二つとも置いてある店は数えるほど。
湯葉は「どこ産」でもいい。大根おろしは、好物の順番にあげると、
①イクラおろし
②シラスおろし
③なめこおろし
どれであってもいい。メニューに「おろし」があるとときめく。
https://r.gnavi.co.jp/b412700/menu3/（焼き鳥・釜飯ニュー鳥ぎん）
ここには「おろし」全種類があった。
感動し過ぎて倒れそう。
天ぷら屋に行くと、どっさり大根おろしを出してくれる店もある。
人形町に「みやび」という天ぷら屋があった。最初から大根おろしが器に入って出てくる。足りなくなったらお代わりもできた。
この「みやび」がお気に入りだったんだけど、二年くらい前、淡路町に移転してしまった。
店長の名前がナカザワさんだった。そして移転先の店名が「なかざわ」だから、同じように大根おろしを出してくれるはずだ、と思っているが、まだ足を運んでいない。近々、様子を見に行きたいところ。場所が変わっても以前のままだろうか、気になる。
大根おろしは天ぷらにも合うし、唐揚げにも合う。焼き鳥にも合う。
吞兵衛にとっては肉の皿に付いている野菜みたいなもの。足りなくなると大根おろしを二回頼む。
最近、休日でも家飲みが多い。大根おろしは自分で作るしかない。我が家の大根おろしは「おろし金」で手動。あの作業で筋肉痛になる。
昔、『電動大根おろし器』というものを買おうとしていた。当時は二社からしか、発売されていなかった。ひとつは「おろしちゃん」（三ツ谷電機）。もうひとつは「おろしの達人」（山善）。この二つしかなかった。
現在ではフードプロセッサーに充分な機能がついているのか「大根おろし器」と検索すると、まずフードプロセッサーが上位に現れる。
どうして未だに買わず、手動で金おろしなのか、というと、これもまた十年以上前、「おろしちゃん」や「おろしの達人」を買おうかどうか、迷っていた時、合羽橋の金物屋の御主人が「大根おろしは、おろし金がいちばんですよ」と言った。
うーん。どうも、道具のプロにそう言われると、そのような気がしてしまうし、おそらく事実なんだろう。金属のおろし金は、他のおろし器に比べると大根の味を損ねないんだとか。そんなわけで、電動は買わないことにして、今使っているおろし金を買ってきた。
ただ、もうそろそろ、妥協しようかな、と思う。
おろすスピードが昔より遅くなった気がする。ジアスターゼ（大根おろしの最も効能のある成分。消化を助けたり胃を守る）は、擦り下ろしてから5分で、どんどん減少してしまうらしい。一本の大根の、三分の一を擦り下ろしているだけなのに、途中で疲れる。全部擦り終わる頃には、すでに7分は経過している。擦ったそばから食べ始めないと効能がもったいない。
疲れている場合ではない。せっせと擦らなければ…。
だいたい最初の一杯を飲みながら、台所で大根をおろし始める。夜勤明けでお腹が減っている時に、手動でおろしていると疲労が増幅する。友人は、おろし金にこだわらず、プラスチックのおろし器（普通にスーパーで売っているやつ）を使っていた。擦ったものが下の容器に落ちるやつ。あれにしようか、電動を買うか。
電動を買えば洗うのが大変そう。収納スペースもとる。おろし金は擦る時に力が要る。どっちにしろエネルギーを消耗する。おろし金は、使ったそばから水洗いできる。後始末が楽。今日も、迷っている。というか、毎回大根をおろす度に迷っている。
